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臓器移植術の場合、臓器を提供する側と臓器の移植を受ける側の両側面があるために、その秩序を守るべく法律が存在します。


当項では海外臓器移植に関する法令について、当団体の考察を交えて、説明いたします。
 

法律の天秤
 

はじめに

「海外渡航移植」が違法だとすれば、主に米国においての臓器の移植手術が必要な子供を助けるべく結成される「○○ちゃん救う会」はどう解釈すれば合法/美談となるのでしょうか?
 
子供は合法で、大人は違法ということなのでしょうか?
米国はよくて、その他の国はダメなのでしょうか??
 
そもそも命の大切さに年齢は関係なく、関係法令を遵守すれば問題なく、何人も第三国にて移植手術を受けることは可能なのです。

 

平成九年法律第百四号 臓器の移植に関する法律」

臓器の移植に関し、全13条からなる臓器移植法という法律があります。
 
この法律にて厳しく規制されているのは「臓器の対価として経済的利益を与える、あるいは受け取る」行為です。
 
臓器の売買のみならず、営利目的の仲介、斡旋行為(臓器移植法:第11条3項)も禁じています。日本だけではなく国際的にも同様の法律が存在し、それらの行為は世界的に犯罪とみなされます。
 
「臓器移植法第12条(業として行う臓器あっせんの許可)」
 
この法律では、死体から摘出された臓器の仲介、あるいは、あっせんする者は臓器ごとに厚生労働大臣の許可を受けなければならないと定められています。
つまり、亡くなられた方から摘出した臓器に関しては、厚生労働大臣の認可を受けないと臓器の仲介やあっせんはできません。
 
従いまして、生きている人から貰い受ける「生体間移植」であれば同法12条の適用外となります。但し、①自由意思による提供であること②対価が伴わない無償の提供であることが条件となります。
 
では移植をしようとする臓器の提供が「自由意志」かつ「無償」であることは、どのように判断するのでしょうか?

 

「倫理委員会」

非血縁関係もしくは婚姻族以外の臓器移植の場合、日本国内に於いても海外でも同様ですが、病院が移植手術を行おうとする際には必ず「倫理委員会(第三者委員会)」を招集し、その手術が医学的・法的・倫理的に問題がないか審議した上で承認を得ることが必須となっています。
 
この倫理委員会は、当該移植術の利害関係者や執刀に携わる医療関係者を除く医師や学識経験者、弁護士などで構成され、移植希望者と臓器提供者へのヒアリングも行います。
 
故に、この当該国の倫理委員会が、当該国の法律に基づき、当該手術を「承認」すること自体、その臓器が「自由意志」かつ「無償」の提供であることの担保となります。

 
 

「親族間の移植に限定されない・・・」

日本では、移植希望患者に臓器を提供できるのは家族や親族だけ…との誤った認識が拡散されていますが、日本国及び諸外国においても、血縁や婚姻関係が条件であるとガイドラインとしては告知されていても、法令として禁じている国は極めて稀です。
 
「日本移植学会」の倫理指針に於いてはガイドラインとして「6親等以内の血縁及び3親等以内の婚姻関係」と示されていますが、この倫理指針は親睦団体の内規であって法的拘束力は何ら有していません。従いまして、営利目的や強制が伴わない臓器提供に対しては、非血縁者間の生体移植であっても、法的な制限はないのです。
 
繰り返しになりますが、法律が禁じているのは「臓器の対価を伴う移植術」「営利目的の臓器あっせん」「強制、強要の臓器提供」であり、日本国内においても倫理委員会の承認を得れば、上記ガイドラインが定めた範囲外の生体間臓器移植であっても、移植術は認められています。
 
当相談室は、当該国におけるルールに従った手順を踏んだ移植手術を行う医療機関(国立病院)のみをご案内しております。
 
患者様も、弁護士による尋問(通訳を介する)を受けて頂き、作成された調書に署名をして頂きます。その後、倫理委員会に承認された患者様に限り移植術を受けることが可能となるのです。

 

「当団体の支援活動」

私どもは移植術の可否及びドナーの選択など、医療に関する判断や行為に一切関与しません。また、関与できる立場にも、ございません。
海外の医療機関の紹介や案内をする支援活動です。具体的には「入退院の手続き」「翻訳」「通訳」「付き添い」「帰国後の病院手配」を中心に患者様の移植治療が円滑に進むための各種サポートをします。
 
それらの諸経費として、移植術を進める上で、通常必要と思われる範囲の請求はさせて頂きます。
詳しくは面談時に費用明細を提示いたします。
滞在に関する希望や要望等あるいは家族の付き添いなど、事前に聞きたい事や確認したいことなど、また実際に移植手術を受けた方々から体験談を伺う機会を設けることも可能ですので、遠慮なくご相談ください。