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渡航先にて

手術について(日本と海外の腎臓移植比較)

 

まず初めに、当ホームページ内でも繰り返し説明申し上げておりますが、当団体は海外渡航移植を希望なさる患者様のサポートが活動内容なので、医療行為には一切の関わりがございません。
 
そのため、本項で説明する移植手術関する事柄については、一般的な概論及び過去ご案内した患者様から伺った経験談の概要であることはご理解ください。

 

「医療機関選択のポイント」

安心安全な渡航移植を希望されるなら、それは移植手術を実施する医療機関を慎重に選択することが何よりも重要となります。 その優劣により手術の成功率は大きく左右するからです。
 
昨今、海外で移植手術を受けて帰国した後に体調不良になられた方についての報道をご覧になられた方もいらっしゃるとは思いますが、基本的には腎臓移植の場合、術後に体調不良になることは極めて稀です。
 
仮に体調不良になってしまったならば、その原因は移植手術を実施した医療機関あるいは移植チームに何らかの問題があったと推察されます。
 
そのような確率を下げるためにも、私共としましては 医療機関を選択する際の評価ポイントとして下記5点を慎重に精査なさるようお勧めしております。
 
①どのような病院にて、どの程度の実績がある移植チームが執刀するのか
 
②ICUのアフターフォローは十分な体制を整えているのか
 
③日本人を含む外国人に対する移植術の実績は多数あるか
 
④移植術のライセンスの有無(当該国からの許可を得ているのか)
 
⑤病院のHP有無(規模や実績を調べる)

 

「生着期間」

海外で腎臓移植手術を受けた場合、その成功率は日本国内で実施された場合と結果にそん色がありませんが、移植した腎臓の生着期間や腎機能の優劣に関しては海外の方が優れていると考えられます。
 
日本では、婚姻関係者や血縁関係者から提供された腎臓での移植手術が多いため、移植しようとする腎臓と患者様との相性が良くない場合でも手術が実施されます。
 
「相性が良くない」腎臓とは、例えば血液型が不適合であったり、患者様よりかなり高齢の方からの提供であったり、「PRAリンパ球検査」の結果が陽性であるものです。
 
(PRAリンパ球検査とは、ドナーから採取したリンパ球と患者様から採取した血液を掛け合わせて、腎移植をした場合の拒絶反応の起こりやすさを予測する検査です。判定結果は「障害率」として示され、一般的に障害率10%以下であれば陰性判定となります)
 
反面海外では、多くのドナーから患者様にマッチした腎臓を医療機関が選択した上で移植を行うため、原則血液型不適合やPRAリンパ球検査陽性の腎臓移植手術は行われません。
 
そのことが、移植後の腎臓生着期間の長短に少なからずとも影響を与えます。

 

「分業体制による手術」

当団体がご案内している当該国医療機関では、腎臓移植を担当している外科医のチームが3チームあり、それぞれ執刀数は500例を超しているベテランの腎移植外科医で構成されています。
 
日本の病院では、初診の問診から執刀、退院までの全過程を一人の外科医が担当する「主治医制度」が採用されていますが、海外の場合「分業体制」が一般的です。
 
問診→検査→執刀→ICU→病棟と、それぞれ担当医が分かれており、チームとして機能しています。
 
そのことにより1週間に10例以上の腎移植を執刀することも可能となり、日本の病院より多くの移植手術の執刀が可能となっています。

 2024年9月22日