移植に関するFAQ
海外での移植治療の不安をお話しください
移植に限らず、医療に不安はつきものです。ましてや海外となると、さらに心配です。基本的な情報をQ&Aに記述しました。参考になさって下さい。
A.日本を出発前に正規両替商(銀行より手数料が少ない)にて交換します。
現地へ持参し病院へ直接支払って頂くことになります。 手術代金の国外持ち出しの手続きは空港の税関にて申告します。
なお、滞在費や付き添い費用は別途の支払いとなります。
A.患者様の症状、あるいは受け入れ可能病院により治療費は異なります。面談時に詳細を説明いたします。
流れとしては患者様の診療情報を移植実施病院に提出して、先方から概算費用が提示されます。
支払いはUSドルとなるため、為替変動により費用は変わります。
A.あらかじめ予備費を計上しているので追加費用は原則、発生いたしません。
体調不良や特別な追加治療が生じない場合は、予備費は帰国後、返金いたします。
現在、提携している病院は移植手術のライセンスを取得している国立病院となります。
A.執刀チームは3チームあり、それぞれ500例以上の経験を積んだエキスパートです。
ICUのバックアップ体制も充実しています。
A.外国人レシピエントの受け入れを始めて12年となります。既に800名以上の外国人が健康を取り戻して帰国されています。
腎移植の成功率(生着率)は98%前後に達しています。
近年、手術前のマッチング検査の精度が向上したことが高い成功率へと繋がっています。
肝臓移植後1年の生存率は85%です。この数値は世界標準です。
A.ドナーに関しては医療機関側に守秘義務があるため、公開されていません。
ドナーはすべて医療機関に委ねられます。また、死体から摘出した臓器は移植しません。
A.非血縁関係でも臓器移植は可能ですので、その必要はありません。
米国や欧州では、非血縁関係の臓器移植が主流となっています。
A.医療費はすべて患者様が病院側(現地コーディネーター)へお支払い頂くことになります。
A.弁護士を含む倫理委員会(第三者委員会)が招集され、欧米で実施されている生体移植術の手続きと同様に進められます。
現地国の法令に従い移植術の可否判断がなされます。
この裁定に当相談室は一切関与せず、すべて倫理委員会の裁定に委ねられます。
※ 米国、EUに於いても倫理委員会の承認が必要となります。
参考資料・国立腎臓財団:くらしの寄付に関する一般情報 | 国立腎臓財団
A.現時点で死体ドナーによる移植術は実施しておりません。
生体から摘出された臓器に限り支援活動をしています。
A.18歳未満のレシピエントは親権者の承認を必要とします。また倫理委員会の尋問に当人と親権者の同席が義務づけられています。
年齢の上限は75歳未満がガイドラインですが、基礎体力の有無や健康状態により、最終判断がなされます。
補足説明
海外の執刀医1人当たりの手術件数が日本の外科医と対比して5倍~10倍も多い理由を説明します。
日本の医師の執刀件数が少ないのは「主治医制度」にあります。
端的に申しますと日本では初診(問診)→移植術→ICU(ダメージ・コントロール)病棟にて継続治療(フォローアップ)→退院
日本では初診(入院)から退院まで1人の外科医が患者の主治医として受け持つ制度が一般的となっています。それに対して欧米では専門分野に特化した「分業制」主流です。すなわち問診は問診の専門医が対応し、外科医は移植術を専業として術後はICUの医師にすべてを委ねます。病棟へ患者が移動すれば腎内科の専門医が継続治療に対応します。
海外ではそれぞれの専門医が分担して患者の診療に対応するので外科医は移植術だけを専門的に実施するので日本の外科医が週に1~2例の手術に対し5~10例前後、移植術を実施します。またICUの医師も専門的にダメージ・コントロールを24時間体制にてケアーするので海外の移植センターは日本と比較して成功率は高く、術後の入院日数も5日~10日前後と日本の半分程度にて退院されます。